【MHP 3rd】『MH』シリーズが目指してきたものと『3rd』が目指しているもの(その4) (野村) #MHP3

PH04.JPG(その3からの続き)

――ぶっちゃけ、なんでお風呂なんですか?

一瀬:人の行動に、食べるとか、寝るとかってあるじゃないですか。人の日常の行動のなかのそれら以外のもので、生活感があるのはなんだろうと話をしているときに、お風呂だったり、洗濯だったりといった案が出てきたんです。でも、さすがに服を洗うのは、なかなかゲームにしにくいなと思いまして……(笑)。

辻本:クリーニングアイルーとかいたり(笑)。

一瀬:生活感はあるんですが、洗濯をゲームに生かせるかというと……それでスキルが発動したりとか、あまりいい案が出なかったので(笑)。だから、洗濯よりはお風呂というキーワードのほうが、いろいろ夢の広がりがあるなあと。なんとか組み込みたいと思い続けて、数年越しに実現しました。今回の『3rd』であらためてネタを出し合い、開発スタッフと一緒に実際に取り組んでいった感じです。それとは別に和風というテイストもやってみたいネタとしてあげていました。このテイストはお風呂というキーワードと相性がよく、そこから和風のテイストも広がっていき、「温泉」をもとにいろいろ発想したりして、各所につなげていきました。

――今のお話ですと、お風呂をやりたいから和風のテイストになったともとれますね(笑)。

一瀬:そういうこともないことはないです(笑)。いくつかお風呂以外のテーマやネタも出したんですけど、話の広がりとか、とっかかりとか、一番こう、身近なもののほうが、想像をふくらませやすかったりしますよね。

辻本:なんだか和むじゃないですか。生活に近いところにありながらも、誰もがプラスに考える行動のなかで、和むもの。その1つがお風呂で、そこからはすぐに温泉という発想につながり、じゃあ温泉を主にしている村ってどんな感じなんだろう? と進んでいきました。

一瀬:先ほども言いましたが、和風というテイストもやってみたいと考えていたので、お風呂が先か、それとも和風が先かというのは、正直微妙なところですね。いくつかキーワードを散りばめたとき、その2つの相性がよかったのは間違いありません。

――和風のお話の続きになりますが、『3rd』のユクモ村を見て思ったのですが、和風というよりは、いろいろな東洋のテイストが入っていると思われます。何か参考されたものはありますか?

一瀬:村はハンターの拠点であり、プレイヤーが必ず何度も訪れる場所なので、江戸時代の城下町の町並みのように完全な和風にしてしまうのはNGでした。『MH』シリーズの世界のテイストって、いろいろな文化が混ざり合って構成されていて、ハンターの装備にしても西洋の甲冑のようなものがあったり、民族衣装のようなものがあったりと、とにかく多種多様です。そのため、そういうものが村になじまないと、村がすごく浮いてしまうんですよね。だから、和風のテイストは軸にするけど、広い意味でのアジア圏の要素、中国や東南アジアなどの要素を足し込んでいって、現在のユクモ村のテイストに近づけた感じですね。

辻本:寒い地方にネイティブな要素が存在する『2nd』と、テイストの入れ込み加減は同じになります。今回は和風に東洋のテイストが入っていますが、これまでのような『MH』シリーズの世界ですよ! としっかり言えるバランスになっていると思います。

(その5に続く)

※インタビュー全文は電撃ゲームス 4月23日発売号に掲載されています。