【MHP 3rd】『MH』シリーズが目指してきたものと『3rd』が目指しているもの(その2) (野村) #MHP3

PH02.JPG(その1からの続き)

――例えば『2nd』の場合、前作の『MHP』があって、それに加え『2(ドス)』があり、それらがベースになって作品が組み上げられている印象を受けました。登場モンスターとかフィールドとか、あくまでも一面的な見方ですが、『MHP』に『2(ドス)』の部分を加えて進化したという印象が『2nd』にはあったように感じたのですが、『3rd』はそういったことではなく、根本部分から練り込むというスタンスですか?

辻本:『2nd』のスタンスは、そもそもそういうことではありません。『2nd』は『MHP』シリーズの2作目を作るなら何をしたらいいのか? という考え方で作っていて、その結果として『2(ドス)』からのモンスターもたくさん登場しています。『MHP』シリーズは携帯ゲーム機であるから、何を入れ込むべきかという点をすごく考えたうえで構成されたゲームなので、そのことを考えると『3rd』の開発スタンスは『2nd』と一緒です。そういうところに関して『3rd』はスムーズに進んでいるわけですが、一方で『2nd』から『2ndG』に推移した際に、人気的にもゲーム内容の詰め込み具合的にもいろいろと飛躍したところがあったので、ユーザーのみなさんの期待や要求も『2nd』のときとはずいぶん変わっていると思います。だから『3rd』に導入する“考え方”は、『2nd』の頃から大きく変化してるので、するべきことがたくさん出てくる。それを1つ1つ整理していって、これだったら『3rd』になるよね! というところをまずは確立させました。本格的な開発のスタートはそこからですね。

一瀬:『3rd』を開発するにあたって、たんに要素を付け足すだけだったら、極論を言ってしまうと、特に考えずにできてしまう作業だと思うんですよ。だから、ゲームシステムはシリーズを通じて確立されているけど、そのほかの部分については、本当にゲームをイチから作り直すというスタンスをとっています。例として、回復薬って本当に必要なのか? というところから再考・検討していると考えてください。今までのシリーズにはあった要素も『3rd』でどのように扱うべきなのかを吟味したうえで、足したり引いたりしています。もちろん『MH』シリーズの根幹の部分、触るべきではない部分はそのままです。シリーズとしての根幹を残しつつ『3rd』で何をするべきか? これを突き詰める一環として、アイテムしかり、モンスターの行動しかり、ステージしかりと、すべての要素の存在意義を検証し直していると考えてもらえればいいと思います。『2ndG』のときのノウハウとか、ユーザーのみなさんの意見だったり、自分達の感じた部分だったりを全部ひっくるめて、『3rd』をどうしていくか考えました。当然、進めていくうちに、ここは改善したほうがいいといった意見が出てきますので、要素を整理するのに結構時間がかかりました。

――その結果が、先日の『3rd』の発表会で辻本さんがおっしゃっていた「いい意味でユーザーを裏切る要素がある」というところに関連していますか?

辻本:まだ、みなさんは『2ndG』のイメージが強いと思うんですけど、それを引っくり返し、『2ndG』の延長線上にあるものとは異なる感じに『3rd』はなっています。村のイメージもそうですし、『3rd』全体のイメージもそうだったりしますし、ユーザーのみなさんから「そうきたか!」とも言われました。いい意味で想像外に行けたんじゃないかなと思います。

一瀬:今回の『3rd』は、ストレートど真ん中の直球勝負という内容にするため、徹底的に各所を吟味しています。そのうえで、みなさんが想像していることよりも先に進んだものにしたい……といった感じですね。

(その3に続く)

※インタビュー全文は電撃ゲームス 4月23日発売号に掲載されています。