【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第27回

パワプロクンポケット10」12月6日発売!
(C)2007 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
(社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用 阪神甲子園球場公認

※ジャケット画像はTSUTAYA onlineに掲出されているものです。
※この文章は電撃パワプロという増刊号のために書かれ、後にブログにアップされたものの再掲出になります。

倉西が言いたいことはわかった。倉西が話した関西の子どもの土曜の午後には、そのまま「パワポケ」の基礎構成要素がまとまっている。笑いと野球。これに当時流行っていた特撮ネタ特有の感覚や、現在のネットを中心としたマニアックなブームを組み合わせると、「パワポケ」ができあがると言ってもいいかもしれない。だが、倉西はそんな批評家的な分析を否定する。

吉本新喜劇の本質は、おもしろうてどこか悲しいってことだと思うんだけどさ、あまり表面に出てくることではないけど、「パワポケ」をプレイしていると、花紀京さんって役者さんのことを思い出すんだよね。たいていストーリーの主軸からは離れたキャラクターを演じてるんだけどさ、近所のおっちゃんとか。たとえばね、頑固オヤジがやっているラーメン屋がある。そこの一人娘、看板娘が、ある日、一人の若者を連れてくる。「この人と結婚したいの」とか言うわけ、ベタな展開だから。でね、頑固オヤジは当然、反対するんだけど、岡八郎さんやいろんな人たちの協力があって、ラスト、二人の結婚を頑固オヤジも認めるんだよ。男手ひとつで育ててきたた娘の結婚だよ、ちょっと泣けるいいラストシーンでね、頑固オヤジは小汚いエプロンのポケットから封筒を取り出すわけ。娘が結婚する日のためにと、こつこつ貯めてきたお金だよ。二人の方が見ないでね、「これ、渡してやってくれ」と。で、それを受け取るのが花紀京さんでさぁ、指にツバつけてそれを数えて半分くらい抜いてから二人に渡すんだよね、「少ないけどな、これ、わしからの気持ちや」とか言って。なんでやねん! で、全員が突っ込んで、音楽が流れて、おしまい。かっこ悪いの、ベタなの。でもね、そのなんというかなぁ、みんながしんみりしてるところにちょっかいを出して笑いを生む感覚? わかる? それがね、「パワポケ」に通じるものがあると思うんだよね。

※この文章は2006年5月に書かれたものです。
※「パワプロクンポケット」シリーズの公式サイトはこちらです。