【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第28回

パワプロクンポケット10」12月6日発売!
(C)2007 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
(社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用 阪神甲子園球場公認

※ジャケット画像はTSUTAYA onlineに掲出されているものです。
※この文章は電撃パワプロという増刊号のために書かれ、後にブログにアップされたものの再掲出になります。

藤岡と小津、そして「パワプロ」のプロデューサーを務める遠山が座敷に上がってきた。谷渕はやはり遅れているらしい。遠山は、手慣れた様子で食べ物をオーダーし、焼きはじめる。藤岡も倉西もビールだが、倉西はぐでんぐでんになるまで飲む。藤岡は決してそこまでは飲まない。「改めて……」。倉西が切り出す。「今日は酔っぱらってしまう前に藤岡さんとパワポケの話しなきゃ」。藤岡が笑う。質問は同じだった。藤岡にとって「パワポケ」とは?

好きなようにやらせてもらってます。コナミという会社の中で、こんだけ好きなようにやらせてもらってるタイトルって他にあんのかなぁ、小島監督の「メタルギア」とかはわからないんですけど、「パワポケ」は本当に好きにやらせてもらってますねぇ。

藤岡は何が「パワポケ」なのかと特定するような答え方はしない。藤岡の答えは、ある種の空気を示している。藤岡にとって重要なのは、「パワポケ」が「パワポケ」であるということではなく、むしろ「パワポケ」チームが「パワポケ」チームであるということなのだろうか。面談インタビューで十人のスタッフのほぼ全員が口にした「企画が通る」「自由にやらせてもらえる」「妄想を具現化できる」、そういう空気を統括プロデューサーとして守りつつ、作品を仕上げていくことに藤岡は腐心しているのかもしれない。
インタビューを振り返りながら、倉西と藤岡の会話は続く。遅れて参加した谷渕に焼き上がった鶏肉を勧めながら、ふと、遠山が藤岡に話しかける。

藤岡さん、でも、よう絵ぇ描いてはりますよねぇ、忙しいのに。僕なんかさっぱりですわ、最近。

※この文章は2006年5月に書かれたものです。
※「パワプロクンポケット」シリーズの公式サイトはこちらです。