【MH3(トライ)開発秘話】#1 モンスター(その6)#MH3

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(その5からの続き)

個々の大型モンスターの誕生
そこには数々の閃きと苦悩があった


――ここからは主な大型モンスターについて個々にうかがっていきます。まずは話題に出たクルペッコから。

藤岡 「モンスターを呼び寄せて、自分は近くであぐらをかいている」みたいなヤツがいたら楽しそうだと思ったのがきっかけですね。序盤に登場するので、威圧感を感じさせないような色やデザインを意識しました。

辻本 あのデザインはいいよね。見た目的に簡単に狩れそうで、でも油断すると背後にリオレイアが(笑)。

――巨体なのに素早いベリオロスについては?

辻本 本当に完成するのか不安になった覚えが(笑)。

藤岡 「凍土飛竜」というキーワードは早い段階からあったんですが、デザインは最後まで引っぱりましたね。

――設定画を見るまでは、そこまでデザインに難航したモンスターとは思ってませんでした。

藤岡 具体的な外面よりも、「凍土で見栄えがする男前な姿にしたい」というキーワードが大事でしたから。それに加えて、飛竜でありながら重量感があって、かつゲーム的には素早いモンスターの遊びを盛り込みたい……と、複数の要素を集約させなければならなかったので大変でしたね。最終的にはシンプルに、でもさみしくなりすぎないように牙の印象を強めた形です。

辻本 ゲーム的には、今までにないアンバランスさがあっておもしろいモンスターになったかなと。

藤岡 最初は動きが素早くて、「ずっとベリオロスのターン!」みたいな感じですけど、部位破壊やスタミナを奪うことで大逆転できるバランスにしました。

辻本 テストプレイで相手にしたときはヘコんだなあ。部位破壊で劇的に変化するなんて知らなかったから、「無理かもしれん……」とあきらめかけた覚えが(笑)。

――ボルボロスはどのような発想から生まれたんですか。

藤岡 獣竜種は今回初登場の新しい種なので、「獣竜種とは何か」というのを明確に伝えたかったんです。その意図をふんだんに盛り込んだのがボルボロスですね。主に2足歩行でバンバン走る獣竜種は恐竜のイメージに近くてモーションを考えやすいんですが、それがゲーム中で想像どおり、あるいは想像以上の動きとなったときは嬉しかったです。振り向いた際に軸をはずして間合いをはかったり、攻撃のあとに背後に引いて距離をとったりと、今までの『MH』にはなかった感覚のモーションが入った瞬間、「あっ、コイツいけるかも」と思いました。

(その7に続く)

※インタビュー全文は電撃ゲームス 6月18日発売号に掲載されています。

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