【MHP 3rd】『MH』シリーズが目指してきたものと『3rd』が目指しているもの(その16)(野村) #MHP3

PH16.JPG(その15からの続き)

――『3(トライ)』のように、モンスターにはスタミナの概念が採用されるとのことですが、スタミナが減ってくると他のモンスターを捕食するといった『3(トライ)』で見られた行動はありますか?

一瀬:いろいろ検討中です。

辻本:スタミナがあるということは、スタミナが切れたときになんらかの変化が起きるのは確かですね。

――なるほど。そのお話でつい思い出しました。ジンオウガティガレックスが対立関係にあって、両者が対峙するシーンでスタミナが切れて……と勝手に妄想していたことを(笑)。そういえば、ジンオウガはかなりの巨体を持つ印象を受けましたが?

一瀬:ティガレックスやナルガクルガなど、今までシリーズ作品でメインを張っていたモンスターと同じぐらいのサイズをイメージしていただければ。ただ、モンスターのディティールしだいで全長が変わったりしますし、胸板とか上半身がゴッツければ、大きく見えるとも思います。あと、姿勢にもよりますね。

――今回『3rd』のメインモンスターにジンオウガが採用された経緯についてお聞かせください。

一瀬:ジンオウガというメインモンスターを作るにあたって、まず考えたのは新しいものは何かというところです。『3rd』の顔の1つとしてカッコいいものを作りたい、さらに今までのシリーズのメインモンスターを並べたときに、それらとは違った表現ができているものにしたい、ということろがまずありきです。次の段階で、リオレウスは空の王であったり、『3(トライ)』だと海で強いモンスターの象徴としてラギアクルスが存在していたので、それらとは違う方向性のもの。具体的には地上で強いモンスターの象徴となるものを作りたいと思い、今回は翼を持たない竜として、牙竜種という新たな種を考え出しました。

――イメージ的には、雷狼竜という別名のとおり狼のイメージですか?

一瀬:狼と龍を合わせたイメージですね。

――日本や中国の龍のイメージも持ち合わせているような印象を受けましたが?

一瀬:日本昔話とかに出てくるような龍も加味しつつ、頭にある狼の耳のように見えるところ、これは角になっているんですが、そういったあたりなどは、鬼っぽいニュアンスも含んでいたりします。これらによって、畏怖感とかヌシ感みたいな印象が出ているかと思います。そうした部分と『MH』シリーズのモンスターらしい生物感がうまくまとまったと思っています。

――ジンオウガの動きや雰囲気は、どんな感じになりそうですか?

辻本:威圧感がすごくある感じを受けると思います。野球で例えると、ティガレックスはストレート、ナルガクルガは変化球、そして今回のジンオウガはストレートです。ただ、ティガレックスはスマートなストレートですが、ジンオウガはイメージ的に重いストレートですね。ティガレックスはスピードボールを投げてくるイメージ。ジンオウガはどちらかといえば、打ってみると意外と重いストレートだった……という感触を味わっていただけるかと。ジンオウガには、実はゲーム的な部分の仕掛けも、新たな試みとして盛り込んでいます。

一瀬:力強さを違う形で表現したいというところも考えていました。でも、あまりパワータイプにすると巨体のモンスターになってしまうので、あくまでマッシブな感じを意識していたりします。

(その17に続く)

※インタビュー全文は電撃ゲームス 4月23日発売号に掲載されています。