【MHP 3rd】『MH』シリーズが目指してきたものと『3rd』が目指しているもの(その6)(野村) #MHP3

PH06.JPG(その5からの続き)

――なるほど。いろいろと便利になった感じですね。ところで、ふと思ったのですが、山間の秘湯から発展したユクモ村をはじめ、『MHP』シリーズは、山が舞台になることが多いように思えます。『2nd』と『2ndG』のポッケ村は、雪山の村ですし。村を作るうえで、山をベースにして考えることはありますか?

一瀬:正直、たまたまです(笑)。『2nd』のときは『2(ドス)』に雪山が登場したので、そこをベースにしようと考えた結果、雪山の山腹にあるポッケ村となりました。いろいろな資料で寒い地方を調べていって、開発スタッフと刷り合わせていった感じですね。地形に関しては、『MHP』のときのココット村が平たんな地にある村だったので、今度は起伏に富んだ村を作りたいと考えたところ、ポッケ村のような高低差のある感じになりました。『3rd』のユクモ村は、『2nd』のときとは考え方が違って、村の中心になるものは何かというところをまず考えました。今回のキーワードにお風呂というか温泉があったので、集会浴場の建物を村の中心に置こう。そして、それを効果的に見せるために、村の形状があのような集会浴場を見上げる形になったんです。これには秘湯つながりで、「山間の」というキーワードが一番先に思い浮かんだことも影響しています。そういうわけで、今回も山が村に関係することになりましたが、特に村を作る際に山にこだわっていることはありません。

――『2nd』だと雪で冬、今回の『3rd』では紅葉で秋という組み合わせになっていると思います。作品ごとに季節を表現するというテーマがあったりしますか?

一瀬:それも、たまたまですね(笑)。

――でも、そういえば『3(トライ)』は海辺だからか夏っぽいですよね?

辻本:四季というよりも、そのタイトルのテーマのイメージですね。

――『3rd』では、紅葉の色味のイメージがすごく強いように感じますが?

辻本:『3rd』のイメージカラーには赤を押し出しています。また、タイトルロゴのバックに赤を持ってきたり、村の建物に赤を使ったりしています。

一瀬:イメージカラーを押し出したいというのは、企画の段階から考えていまして、自然色で赤を出していくとなると、やはり紅葉がピッタリくるんですよ。ピンク色の桜は『MHP』で採用しましたし。村の建物などにも結構赤を使っていたりするんですが、そこもバッチリ合ったという感じです。作品ごとにテーマとして季節を持ってくるということはまったく意識していません。季節のゲーム的な概念自体は『2(ドス)』でありましたけど。『3rd』では、ゲームシステムに絡むことは一切ないですね。赤とか紅葉を強く押し出したイメージにしていくと、雅なイメージが前面に出てきてしまい、『MH』シリーズらしい雰囲気がなくなってきてしまいます。赤の使い方、紅葉の差し込み加減は、開発の初期からいろいろと試していますよ。

(その7に続く)

※電撃ゲームス 4月23日発売号に掲載。