【深夜に一言・金沢】確かに、金沢には坂が多いです

今回の金沢出張は、本に恵まれた出張でした。帰りに読んだ「サカロジー 金沢の坂」(国本昭二・著/時鐘舎新書)も、すばらしかった。せっかくなので金沢在住の方が書いて、地元で出版されているものを選んでみたのですが、あたりでしたねぇ。唯一、残念なのは国本さんがすでにお亡くなりになっていたことでした。御冥福をお祈りいたしますとともに、他の著作物も拝読させていただきます。

タイトルにある通り、この本は金沢の坂について書かれたものです。坂なんて、どこにでもあるものだと思っていたのですが、思い出してみれば、都内にいるとあまり坂を上がったり下りたりしない気もします。そして逆に、金沢は坂だらけの町かもしれません。この本でも全56稿中、金沢以外にある坂は2つだけです。あめや坂の話なんかは有名かなぁ。Wikiで「子育て幽霊」と検索してみてください。

もちろん僕は金沢出身なので、この本を十分に楽しむことができました。実際の風景がわからずに読むと魅力は半減するかもしれませんが、たとえばこんな一節は、国本さんの坂マニアっぷり、坂萌えを感じさせます。

卯辰山金沢市老人福祉センター「千寿閣」へ行くお年寄りに坂でよく出会う。長年、歩きこんでいるだけあって、かくしゃくとした足取りだ。「坂をのぼると、元気になるんですね」と言ったら「元気だから、坂がのぼれるんだ」といわれてしまった。

こういうエピソードは実際の風景とは関係なしに読めますから、ぜひ御一読ください。

サカロジー―金沢の坂 (時鐘舎新書)

サカロジー―金沢の坂 (時鐘舎新書)