GOLD FINGER(第3回)

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(前回から続く)

エストはすばらしく順調に進みました。僕の提案を守って、Aさんは一切武器を手にすることなく、逃げ回り、そして閃光玉を投げました。リオレイアはとにかく走り回るので、意外と閃光玉を投げるタイミングはつかみにくいのですが、元々、まったくゲームができないというわけではないAさんは、何度か投げるうちにタイミングをつかんでいました。むしろ、攻撃も担当している僕の方があせって失敗したりしましたが、それでもクエストは順調でした。僕は何も言っていなかったのですが、閃光玉が効いているうちに調合するという技を自ら編み出したAさんも力尽きることなく、目的を達成していました。

「あ、出た出た」。

Aさんの成功報酬を見て、僕は言葉を失いました。雌火竜の紅玉が、2つもあります。僕も手に入れていたのですが、僕は1つです。雌火竜の紅玉は何個か手に入れていましたが、一度に2個出たことはありませんでした。なのに、Aさんは、はじめて挑んだ金火竜戦で、2個、です……戦ったのは、僕……なのに。

このことが、僕の物欲に火をつけました。雌火竜の紅玉は一度に複数手に入ることがある、そして、僕にはその経験がないのに、ないのに、はじめての人でも、それを手に入れることができた。このことに、なんというか、くやしいようなうらやましいような、嫉妬に近い、それまでに経験したことのない感情を覚えました。「もう一回、回ろう」。再び、Aさんと金火竜戦に出かけました。最初の戦いでわかったことは、ちゃんとルールを決めておかないと二人で一緒に閃光玉を投げてしまい、無駄が出てしまうということでした。まずはAさんが閃光玉を投げ、15個、投げ尽くしてから僕が投げるという新ルールを編み出しました。そして、僕が投げはじめてからは、閃光玉が効いている間はAさんも斬りつける(斬破刀で)ということにしました。少しでも効率化を図ろうとしたのです。これも見事に決まり、2回目のクエストも無事に成功しました。この時は、二人とも雌火竜の紅玉を手に入れることはできませんでした。

「あぁ、楽しかった、今日はもう……」。

すでに電車もないくらいの深夜になっていました。確かに、ここでやめるのが普通です。普通なのですが、僕の物欲は止まりませんでした。かといって、もう1回と提案するのはさすがに気が引けました。しかし、しかし……。

(最終回に続く)

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