【Solarobo】15年間温めた『ソラロボ』への想いとは。(その3) (アラケン) #solarobo

起源(ルーツ)をストーリーのテーマに
設定の細部まで想像を広げられる世界観

PH03.jpg(その2からの続き)

――本作のストーリーのテーマを教えてください。

松山:大きなテーマは、「自分の起源(ルーツ)を探す冒険譚」です。ルーツとは、その言葉のとおり、物事をたどっていくこと。そして世界観は、ほんわかしているように見えて、実はハードなSF世界であるという二段構えにしようと考えました。「○○に見えるけど、本当は××」というような感じですね。

中田:そのテーマとストーリーラインは企画段階から好評でした。骨太で筋のとおった世界観に、納得のいく結末。でもこの骨組みには問題がないけど、“皮” にあたるケモノや浮遊大陸の設定で引っかかってしまって……。尖った設定は諸刃なところがありますからね。厚くする部分と、削る部分のちょうどいい落としどころを見つけるのに苦労しました。その試行錯誤の結果は、外部のスタッフである結城信輝氏や谷口欣孝氏に参加を要請するなどして、いい方向に進んだと思います。

――ルーツというテーマは、設定やストーリーを深読みするマニアにはたまらないものがありますよね!

松山:私が子供の頃に見たロボットアニメはそれ単体でもおもしろかったのですが、アニメ誌を見ると「このロボにはこんな設定が!」とか「アニメでは出てないけど、こんな世界観になっている!」とか、インタビューなどを通じて、もっと内容を掘り下げることができたんです。私はそれを読むのが、本当に大好きで! だから『ソラロボ』でも、そういう部分もたっぷり遊んでもらいたいと思ったんです。本作は、自分達が楽しんでいたことを次世代の人々にも味わってもらいたいという、ある意味で我々からの提案のつもりです。だからキャラの言動やデザインにも、さまざまな伏線を準備していますよ。

例えば、主人公の愛機であるダハーカの正式名称は、「DAHAK-AZI03(ダハーカ アジゼロスリー)」というのですが、「なぜ主人公のロボなのに、ナンバーが03なのか?」とか「ほかにも同じシリーズの機体があるの?」といった感じで、1つの情報からいろいろなことが推理できるんです。そういう情報は本当にたくさんあるので、発売前でも情報は惜しむことなく放出していく予定です。

ただ、ゲーム画面から想像をふくらませるという楽しみもあると思うんですよ。ですから、大量に設定を作ってはいますが、あえて設定を公開せずに、画面から匂わせる程度にしているものもあります。世界を動き回るなかで、いろいろなことがうかがい知れるようになっていますので、発売後はぜひニヤニヤしながら本作の世界を歩き回ってほしいなと思います。

(その4に続く)

※インタビュー全文は電撃ゲームス 4月23日発売号に掲載されています。