【エストポリス】ちょい長めプレイレポート その2[なぜシリーズファンが歓喜したのか?][そみん] @MIYATA_ESTPOLIS #estpolis

■なぜシリーズファンが歓喜したのか?■

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今回のDS版『エストポリス』が発表された際、ネットを中心にシリーズファンから大きな歓喜の声があがりました。SFC版を知らなかった方にとっては「なんで、そこまで?」と疑問に感じたかもしれませんが、それには大きな理由があります。

そもそもSFC版『エストポリス伝記』は3部作構想として発表されました。時間軸としては「勇者マキシムが四狂神と戦う虚空島戦役(『II』)」→「復活した四狂神と勇者マキシムの子孫の戦い(『I』)」となりますが、ご覧のように時代的にはあととなる『I』のほうが先に語られたわけです。その前提があったからこそ、『I』のオープニングで『II』のラストバトル&エンディングの一部を見せてしまうという心憎い演出や、『I』で出会ったかつての英雄達の武勇伝が『II』で明かされていくという熱い演出が実現され、当時のファンは完結作となる『III』の発売を心待ちにしていました。が、残念ながら諸事情で『III』は発売されず(『ルーインチェイサーズ』というサブタイトルや一部の設定は公開されたんですが……)、外伝的な作品はGBやGBAで発売されながらも、シリーズ本編は未完となってしまいました。

そんなわけで、熱いファンにとってシリーズの再開は長年の願いでした。そこで発表された新シリーズなんですから、そりゃあ喜ばないわけがないでしょう! 立ち位置としては旧シリーズの『III』ではなく、新たなるシリーズの1作目となりますが、1995年の『II』の発売から約15年間の沈黙を破ってシリーズが再始動したんですから、嬉しくないわけがないっ!

ちなみに今回の『エストポリス』は新しいシリーズですが、旧シリーズと無関係というわけではなく、旧シリーズを新生して作り直しているというのもポイントです。ストーリー的には旧シリーズの『II』をベースにしつつ、当時のオリジナルスタッフが「当時、本当に描きたかったこと」や「今だからこそ、描けること」などを詰め込んだ作品となっているので、ある意味では“真”の『エストポリス』として楽しめる点にも注目ですね。

■余談コラム:1995年はゲーム業界的にすごい年でした■

まったくもって本筋からはずれた話になりますが、SFCで『エストポリス伝記II』が発売された1995年はいろいろな意味で激動の年だったんですよね。前年の1994年末に当時の“次世代ゲーム機”であるプレイステーションセガサターンが発売されて、ゲーム業界的にはポリゴンによる3D表現が本格的になりつつありました。その一方、ハード発売から5年目に突入したSFC(1990年11月21日発売)は円熟期を迎えており、驚くべきほどの数の名作が1995年に誕生することに。その一部を軽く列挙するだけでも『フロントミッション』(1995年2月24日発売)、『クロノ・トリガー』(1995年3月11日発売)、『第4次スーパーロボット大戦』(1995年3月17日発売)、『聖剣伝説3』(1995年9月30日発売)、『タクティクスオウガ』(1995年10月6日発売)、『ロマンシング サ・ガ3』(1995年11月11日発売)、『ドラゴンクエストVI 幻の大地』(1995年12月9日発売)、『テイルズ オブ ファンタジア』(1995年12月15日発売)てな感じで、SFCユーザーにとって1995年がどんなに熱い年だったか伝わるのではないでしょうか。
(その3に続く)

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