GOLD FINGER(第2回)

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(前回から続く)

「いいよ、わかった、Aさんのために戦うよ」。

かっこつけました。かっこつけましたが、それが単なるポーズであることは、みなさん、おわかりですよね? Aさんがゴールドルナシリーズをそろえるために金火竜を倒すということは、それだけ金火竜、雌火竜の素材が手に入るわけですから、僕もガンナー用のゴールドルナシリーズをそろえることができるということです。激運です。弓でも激運です。物欲にとりつかれた二人の、物欲のための戦いがはじまりました。

「あぁ、秘薬忘れちゃったぁ」。

いやいや、僕もよくやりますよ、男塾先輩にはよく怒られます。秘薬忘れたり、強走薬忘れたり、お肉忘れたり……もう二度と一緒に回らないとまで言われたこともあります。「やる気あんすか?」。ヤツの口ぐせです。しかし、その気持ち、僕にもようやくわかりました。しつこいようですが金火竜には自信があります。うまくすればソロプレイでも一回も力尽きることなくクリアすることができます。Aさんといっしょなら、金火竜の標的が二分されますから、それだけ楽にクエストが進められるはずだと思ったのですが……。金火竜戦ははじめてというAさんがいきなり力尽きるのは仕方ありません。何度も何度も敵の動きを見て、覚えて、かわして、そして生き残るのが「MHP 2nd」の基本ですから。しかし、秘薬がないってどういうこと? その貧弱な装備だとあれですよね? その、なんというか、2発も喰らうとアウトですよね? あの、その……と、説明するまでもなく、Aさんは2回連続で力尽き、3落ちしてクエストは失敗しました。

さて、どうするか……。忘れ物をしないというのは大基本として、このままではAさんといっしょに金火竜を倒すことは、まず、できない。それができないと、僕もガンナー用のゴールドルナシリーズをそろえることができない。もちろんソロプレイで倒して手に入れてもいいのですが、標的の分散はありがたい。生き残る可能性が上がり、それだけゴールドルナシリーズが手に入る可能性が上がるということにもなります。しかし……。残酷だとは思いましたが、僕はAさんに告げました。クエスト中は、武器を手にしないでほしい、と。Aさんにお願いしたのは閃光玉担当でした。リオレイアにも閃光玉は効きます。武器がなんであれ、ほぼ安全に攻撃できる時間は貴重です。閃光玉5個と光蟲10個、素材玉10個を持ってきてもらえば、計15個、閃光玉を投げることができます。二人あわせれば30個です。最初の5個を使い切って、仮に調合中に力尽きることがあっても、5個、5個と調合していけば、2回しか力尽きないという計算になります。僕が1回でも力尽きるとアウトにはなりますが、しょせん、僕が力尽きたら……という状況ですから、そのことは考えないことにしました。武器をかまえなければRボタンで走ることもできます。Aさんが生き残る確率はぐんと上がるはずです。

悪いかなぁと思いながら提案したプランだったのですが、Aさんはあっさり承諾しました。物欲にとりつかれていたのでしょう、確かに生き残りの確率が上がり、ゴールドルナシリーズが手に入る可能性が高まるプランですから、断る理由もなかったようです。忘れ物がないか、何度も声をかけあいながら準備をして、僕たちは塔に向かいました。

(第3回に続く)

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