【PocketVegas】そういえば頂上決戦はやんなかったね、それはリリース後にしていきたい二人のゲーム魂(3/3)

ポケットベガスソリティア狩られ道。オフ会で行われたソリティア大会結果
http://www.appbank.net/2010/02/07/iphone-news/91328.php

なぜ、僕とRucKyGAMES君は、クロンダイクの魔王entrypostmanさんを打ち破ることができたのか? その第二の理由は、プレイスタイルに表れていました。なので、実はものすごく説明しづらいのです。ただ、RucKyGAMES君にははるかに及びませんが、僕と彼のプレイスタイルには共通していることが1つだけありました。わかりやすい言葉で言えば、落ち着きのなさです。落ち着きがないということは、通常、悪い意味で使われる言葉ですが、ここではポジティブな言葉ですw

たとえば、あまりゲームプレイしないという方でも経験があるかもしれないのですが、エレベーターのボタンです。あれを、つい連打してしまうことはないでしょうか? エレベーターのボタンを連打しても、あまりいいことはないのが一般的ですが、(本人が自覚するしないは別として)いわゆるゲーマー気質のある人間は、ついついあれを連打してしまいます。一回だけ押せばいいじゃないですか、エレベーターのボタンなんてw なのに、連打です。落ち着きないことこのうえない。

しかし、これが実はキモなのです。クロンダイクで連打しちゃダメですが、この連打的な思考が、ゲームプレイにおいては、特にタイムを競うようなゲームプレイにおいては重要な意味を持ってくる場合があるのです。連打するとは、それだけ細かな単位時間で思考の試行をくり返していることを意味する場合があるからです。

右利きの僕は「Solitaire City Classic」でも「PocketVegas」でも、左手でiPhone本体を持ち、右手の人差し指でカードを操作しています。客観的に見ると、その人差し指が、常に小刻みに震えています。それが、僕の思考の試行の速度を表しています。「このカードはこのカードと色が違って数字が1つ小さいから重ねることができる」。そう考えてから(その組みあわせを発見してから)カードを動かしているわけではないのです。特に基準はないのですが、「ここはダメ、ここはダメ、あ、ここはOK」という、より小さな単位の思考に○×をつけながら、進めていくのです。全体なんぞは見ていませんw なので、時に山札関係でミスをしてしまうことも多いのですが、小さな計算を○が出るまでくり返しているだけですから、ハマれば速い。オフ会での僕は、たまたまこれがハマっていたらしく、クロンダイクの魔王、entrypostmanさんに勝利することができたのでした。そう、つまりは偶然なのです。

RucKyGAMES君のプレイを背後から見ていたのですが、おそらくは僕と同じような思考の試行をくり返しているように見えました。ただ、どうにも違う。彼のカードの並び方は、あきらかになんらかの戦略に基づいているように、僕には見えました。つまり、この短い単位時間の思考の試行に加えて、もう1つ、なにかsomething specialがあったようでした。

日本の文化を世界に伝えることでは第一級のタイトルをリリースし続けるiPhoneアプリ業界のトップ下(いきなりサッカー用語が切れました)、RucKyGAMES君と僕が、クロンダイクの魔王、entrypostmanさんを撃破した2つの理由。それは特訓と(言ってしまえば)落ち着きのない思考という、ゲーマーならではのものでした。ゲーマーとは、なんと悲しい人種でしょう。たかだかカードゲームに、ここまでやってしまうのです。そして、ゲーム雑誌編集者/ゲームライターとは、なんと哀れな生き物でしょう。こんなことを、世紀の大発見のように書き連ねる。駄文とは、まさに僕のためにあるような言葉です。


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